きぃくんの 高校生物学講座
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 [ タンパク質の構造 ]

・タンパク質はアミノ酸ペプチド結合により連なった高分子化合物です。
・構成元素はCHONS


◎ペプチド結合

<アミノ酸の構造>
 アミノ酸は、1つの炭素原子に 水素原子カルボキシル基アミノ基側鎖が結合したものです。

             (側鎖
アミノ基アミノ酸カルボキシル基

 アミノ基とカルボキシル基は脱水縮合によって結合します。 これをペプチド結合といいます。

ペプチド結合  2個のアミノ酸が結合するとジペプチド。3個のアミノ酸が結合するとトリペプチド。 多数のアミノ酸が結合するとでポリペプチドとよびます。
 ガッツリPoint!
 化学を習う人は問題ないと思いますが、ペプチド結合について記述問題が出たときに 「ひとつのアミノ酸のアミノ基からHが取れて、もう一方のアミノ酸のカルボキシル基からOHがとれて・・・云々」 と長々と書くのは「脱水縮合」の一単語で片付くことが多いです。「脱水縮合」です。「脱水縮合」。


◎いろいろなアミノ酸

・タンパク質を構成するアミノ酸はぜんぶで20種類あります。

  *勉強する上で大事なタンパク質*
グリシンもっとも単純な構造のアミノ酸。
分子量最小。
システインS-S結合をつくる。
立体構造を語る上で非常に重要。
グリシンGly
システインCys
グルタミンアミノ基を2つ持つ。 グルタミン酸カルボキシ基を2つ持つ。
グルタミンGln
グルタミン酸Glu


◎タンパク質の構造 ※図は教科書などで・・・

<一次構造>
 直線的配列順序を形成した構造。 アミノ基側の末端をN末端、カルボキシル基側の末端をC末端といいます。

<二次構造>
 ペプチド結合には水素原子Hと酸素原子Oが残っています。 この水素原子は酸素原子と水素結合を形成します。 直鎖の途中がくっつくことで、立体構造になります。 代表的な構造として、αらせんβシートがあります。

<三次構造>
 ポリペプチドをさらに安定させるために、側鎖どうしが結合し三次構造を形成します。 結合の種類は、S-S結合水素結合疎水結合イオン結合などがあります。 あんまり出ませんが、テストでよく問われる三次構造は筋肉中で酸素を蓄えるミオグロビンです。 ちなみにミオグロビンも赤いです。

<四次構造>
 三次構造のペプチド鎖が集まった構造。四次構造を形成するペプチド鎖一つひとつをサブユニットといいます。 ヘモグロビンは四次構造です。

 ガッツリPoint!
 ペプチド鎖の構造を覚えるのはそんなに難しいくはありませんが、注意しなければいけないことがあります。 ○次という言葉に惑わされると、一次構造が一次元、二次構造が二次元・・・。じゃあ、四次構造は四次元!?ってことになります。 ペプチド鎖は“二次”構造ですでに“立体”構造です。気をつけてくれぃ。


◎タンパク質のはたらき

 生物Uでは、ヒトの体の中で起こってることもたくさん学びます。酵素、筋肉、免疫・・・大概タンパク質が絡みます。 まぁ、なんでタンパク質かってのも、学習を進めればおのずとわかりますので気にせずに。
 構造タンパク質や輸送タンパク質などはたらき別に暗記してもいいですが、具体的な単元毎に覚えていったほうがいいので、 ここではすっ飛ばします。


◎変性

 タンパク質の多くは温度やpHの影響で、その立体構造が変化し、性質が変わります。 この現象を変性といいます。

 ガッツリPoint!
 タンパク質の変性ではアミノ酸の順番は変わりません。あくまで立体構造の変化です。 また、ゆで卵は一生ゆで卵のように、熱変性などしてしまうと普通はもとに戻せません。


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