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植物の中には、空気中の二酸化炭素濃度が低い(二酸化炭素が限定要因)環境でも効率よく光合成を行える植物が存在します。 <C3 植物> 多くの植物は、気孔から二酸化炭素を吸収し、葉肉細胞で 直接カルビンベンソン回路において炭水化物を合成するとこで固定し、 炭酸同化を行います。 <C4 植物> 一部の植物は、一連の反応を葉肉細胞と維管束鞘細胞で分担して行います。 気孔より取り込まれた二酸化炭素は、葉肉細胞の C4 ジカルボン酸回路において、 いったん炭酸水素イオンにされ、C3 化合物と結合して C4 化合物となります。 C4 化合物は維管束鞘細胞において、二酸化炭素を放出して C3 化合物となります。 ここで放出された二酸化炭素はカルビンベンソン回路に取り込まれて固定され、炭酸同化が完了します。 C4 植物は、一般に高い温度・強い光の環境下に適しています。 ガッツリPoint!
◎CAM植物 しくみを工夫して炭素固定をするC4植物の他に、ベンケイソウ科やサボテン科など気孔の開閉を工夫するCAM植物というものがいます。 [夜] 気孔を開いて二酸化炭素を固定。リンゴ酸を合成し液胞に蓄えます。 [昼] 気孔を閉じて、リンゴ酸の脱炭酸反応により二酸化炭素を得ます。 [夕方] 昼にリンゴ酸を使うため、日没が近づくころに気孔を開き、カルビン・ベンソン回路により二酸化炭素を固定します。 ◎光合成産物 光合成でつくられたグルコースはデンプンとなって蓄えられます。 このデンプンは同化デンプンとよばれます。 また、葉でつくられたり、根から吸収された養分は他の組織に運搬されます(転流)。 転流により種子などに運ばれた養分によりつくられたデンプンを貯蔵デンプンとよびます。 |